2019年12月11日水曜日

買い手と売り手と作り手の気持ち/tokubetsu-made by katari-その2

こんにちは。


前回のブログからまた間隔が空いてしまいました。


内容を忘れてしまった方は↓からもう一度見て頂けましたらと思います。


買い手と売り手と作り手の気持ち/tokubetsu-made by katari-




さて、そんなこんなで前回の続きをまた書いていきましょうかね。



前回は買い手の気持ちを僕なりにお話してきました。



今回は売り手と作り手の気持ち。



売り手は小売りと卸売りがありますが、今回は僕の立場である小売りとしてお話していきます。



まぁ当然ですけど、売り手はモノやサービスをお客様へ売って、その対価としてお金を頂きます。



僕は18歳くらいからアルバイトで地元の服屋で働いていて、19歳くらいからは名古屋の服屋でアルバイト、大学を卒業して22歳からは正社員としてこれまた服屋で働いていました。


そして今は自分で服やをやっています。


そう、服屋しかやったことが無いんですよね。



本当は一番最初のアルバイトはミスドで働きたくて(甘いものが大好きなので)面接に行ったんですけど、高校生のころから肩にかかるくらい髪が長かったので、ミスドの店長さんに「うちで働くなら髪を切らないと、、、」って言われたんですよね。


そりゃ飲食だから当然だし、素直に髪を切りますって言えば良かったんですけど、なんせ10代後半なんて尖ってる時期じゃないですか?


だから、「髪を切るならやめときます。」とか言ったんですよね。



今考えると馬鹿だなぁって感じですけど、あそこで自分を通したから今の服屋の自分がいると思えば結果オーライですね。



ちょっと脱線しましたけど、つまり15年くらい服屋(売り手)としてやってきた中での、気持ちなわけです。



15年やってますからね、いろいろな同業の方を見てきました。



基本的にみんな良い人ばかりでしたし、服のことも好きな人が多かったです。



でもそれと同じくらい、ただ売れれば良いって考えの人も多いです。



これはある程度は仕方ないというか、やっぱりビジネスですし、売れないとこっちは生活できないですからね。



ただ、どうしても僕が好きになれない売り方があって。



嘘をついて売ることと、雰囲気で売ること。



ただ売れれば良いって考え方の人は、嘘が上手です。



売れれば良いってのは間違っているわけではなくて、売る為の努力の方向性が問題なのかなと。



色々な知識を身につけたり、すっごく恰好良い服の合わせ方が出来たり、お客さんに似合う服装を提案したり、そういった方向性での、売れれば良い、には賛成なんです。



でもそういった努力をするよりも、嘘をついた方が簡単だし、楽に売れるから、ついつい売り上げの為に嘘をついてしまって、一度そうやって楽な売り方覚えてしまうと上手な嘘・売る為の嘘を考える方向に頭がいってしまうんです。



そういった人が周りにいる環境で服屋をやってるのが嫌になって、僕は自分で服屋をやることにしました。


周りにほとんど服屋の無い田舎で。



例えば嘘って何?ってなりますよね。



うちのお店をご利用頂いている方々に分かりやすいのはAUTTAAさんの別注ルームシューズですかね。



あれの通常ソールのタイプってかなりソールが薄くて、本当にルームシューズとして、もしくはちょっと近くのコンビニへ、くらいの感覚なんですよね。



じゃないとちょっとした小石を踏んだだけでもその感覚がダイレクトに足裏に伝わるから足にも悪影響だし、ソールの減りも早いから修理も結構頻繁に必要になってきます。



でも、ほとんどのお店さんでガンガン外履きOKです!みたいな売り方をしてると思います。



実際、僕が自分でお店を始める前にあるお店で個人的にこのルームシューズを購入した際には、そんな接客をされて、その言葉を信じて買いました。


でも外を歩いたら、おや?ってなって。



そんな実体験もあって僕は別注ルームシューズをAUTTAAさんにお願いしました。



あと雰囲気で売る感じね。



これは実店舗での接客というよりも通販やSNSで感じることですね。



お客さんが何を知りたいか、お客さんに何を伝えたいか、それをすっ飛ばして良い感じの写真で何となく良い雰囲気にして、はいお仕舞い、みたいなね。



恰好良い、あるいは可愛い人が着用している写真を載せて、あたかも良い雰囲気にして、この服にはどんな拘りが詰まっているかは二の次で。



まぁ今の時代にはこのやり方があっていると思うし、仕方ないのかもしれないけど、それで通販で買ったとして、「え、ここの部分ってこんな感じなの?」ってなるのはどうなのかしらと。



気になることがあるならそっちから問い合わせしてきてよ、みたいなスタンスってどうなのよと。



直接見ることが難しいから通販を利用しているわけで、それなら出来る限りの情報はこちらから提供して、安心して買ってもらえるようにするのが普通なんじゃないかと思う訳ですよ。




またちょっと脱線してしまいましたけど、話をtokubetsu-made by katari-に戻すと、こんな感じのロンT系のトップスについての売り手の考え方としては、絶妙に難しい立ち位置のアイテムだと思うんですよね。



ニットやジャケットみたいに特徴的な説明が出来たり、パッと見て恰好良い!って思わせるほどのルックスにもなりにくいから、正直に言うと売りにくいんですよね。



それでいて単価も安いから、頑張って接客して売り上げに繋がってもあんまり利益にならないし、同じ頑張るなら単価の高いニットやジャケットで頑張った方が利益も大きいわけですよ。



しかも今はヒートテックとかがあるから、インナーはそっちでっていう考え方の人も多いと思うんですよね。



だから買い手が良い感じのロンTを探していても、売り手の立場からするとあんまりメリットの無いロンTは仕入れていないことが多かったりします。



なので、売り手としてもこういったロンTはあんまり強気で仕入れることが出来ない、というのが正直なところなんですよね。




あ、そういえば、tokubetsu-made by katari-くしゅくしゅネックのロングロングT、女性の着用画像も載せました。

















思っていたよりも女性の方にご購入頂けたり、気にして頂けていたりすることが多かったんですよね。


なのでこの着用画像を見て、購入の決め手になりました!と女性の方から言ってもらえることもあって、少しでも参考になりましたら幸いです。


自分で言うのもアレですけど、痒いところに手の届いた使い勝手の良い品だと思いますので、ご自分用はもちろん、男性女性を問わずに贈り物としても喜んでもらえると思います。



モデルは友人のコジマ。(154cm)


手がとっても綺麗なので、Touareg Silverの着用画像もやってもらっています。(新作もそろそろご紹介します)




最後は作り手の気持ち。



これに関しては、僕はそこまでわかりません。


ブランドをやっているわけでもないですし、今まで働いていた職場でも基本的にはプレイヤーとして現場に立っていたので、作る方はそんなに詳しくないんですよね。



ただ、今回このくしゅくしゅタートルを作ったことで少しは分かったこともあります。



とりあえずモノづくりをしている方はすごい。



これは結構大変ですね。



何千何万とある生地の中から理想のものを見つけて、サンプルを作って。


そのサンプルも1回で必ずしもうまく出来上がるわけではない。(僕は細かい部分も気になる方なので、3回もサンプルを作成しました)



サンプルを作ったり、パターンを作成・修正したりするのに、1回ごとに何万円かかかりますからね。



自分で手作りするなら1~2着だけつくる極々小量生産も可能ですけど、工場さんに依頼するとなるとモノにもよりますけど50着~とか生産する必要がありますからね。



で、そうなると売り手があんまり仕入れてくれないロンT系のトップスをたくさん作るのはリスクが高いんですよね。



サンプル・パターンを作成するのにまず数万円かかりますし、何十着も生産しても売り手が仕入れてくれなければ、作り手は在庫を抱えるだけになります。



だから作り手も、どちらかというと仕入れに繋がりやすいパンツやジャケットなどを作ることに力を入れますよね。



そうなってくると、買い手が手を出しやすい1万円前後の価格帯でそこそこ良いロンTを探そうと思うと、なかなかに見つからない。



こういった感じで、それぞれの気持ちがうまく交わらないことが現状ではいろいろなところであるのかなと。



なかなかすべての人にとって良い方向に進むというのは難しいかもしれませんけど、今の自分の立場だったら比較的、買い手と売り手と作り手の気持ちになって何か出来ることがあるのかなとも思ったりしています。




ちょっと後半は走っちゃいましたけど、こんなところで。




それではまた。



katari 店主 杉本



katari

愛知県江南市木賀本郷町西171番地
(営業スケジュールやアポイントについてはHPをご覧ください。)




名鉄江南駅または名鉄布袋駅より徒歩10分ほど。
(名古屋駅から江南、布袋駅までおよそ20分です。)
お車でお越しの際は隣の喫茶店の駐車場をお使いください。


その他、気になることなどありましたら、お気軽にお尋ねくださいね。